コストダウンのためのクレーン導入の各ポイント
その1 運搬する重量物に合わせた形式のクレーンを選択する
天井クレーンの場合、運搬したい物の荷重が10tを超える場合はトップランニング式ダブルクレーンを推奨致しますが、10t以下であればトップランニング式シングルクレーンを選択することができるのでコストダウンにつながります。また、5t以下であれば構造がシンプルなサスペンション式クレーンも選択することができ、さらに3t未満であればクレーン設置届が不要※となるため、可能な限り過剰スペックにならないようにクレーンを選択することが、コストダウンに繋がります
※0.5t以上は「クレーン設置報告書」が必要
その2 ホイストは既製品から選ぶ
ホイストはメーカーの既製品となるため揚程が標準化されており、6m・8m・12mというラインナップになっています(詳しくはII-⑤建屋の高さ(揚程)の確認のページを参照下さい。)
例えば10mの揚程が欲しい場合には、12m品を使用した方が特注品を使うより安くなります。
なお、特別な事情がありどうしても揚程が必要な場合や、あるいは使用頻度が高い場合は特注ホイスト及びクラブを製作することも可能ですが、都度要求に応じて設計・製作することになるので割高になり注意が必要です。
その3 ホイストはインバータ式を選ぶ
ホイストはインバータ式の方が、一般的には安価な上、操作上も微調整がしやすくなっています。
ただし、巻上げ下げの速度が遅めなので、大型製品などの搬送の場合は、インバータ式ではなく速度が速い普通型(二重速または微速付き)を選択することがあります。この普通型は一般的にはインバータ式よりも高く、操作性は作業者の熟練度によっては微調整が難しい場合があります。
その4 走行ガータが長い場合はウレタン車輪を検討する
ウレタン車輪を用いた無軌条クレーンサドルを用いれば、走行レールはH形鋼のみとなります。一般的にはクレーンサドルを走らせるためにレール(軌条)を取り付ける必要があるので、ウレタン車輪を採用すれば、軌条レールの材料費用や取り付け工事が不要になるため、設備費が低減できます。おおよそ20mを超えるとウレタン車輪の方が安くなります。