トップページ > クレーン選定のポイント

クレーン選定のポイント

①クレーン選定のフロー

前述のようにクレーンには様々なタイプのものが存在するため、選定にあたっては下記に示すとおり、順を追ってポイントを確認していく必要があります。ここでは工場に導入されるケースが非常に多い天井クレーンの選定手順を説明致します。

②クレーン導入検討時の確認事項

クレーンを選定する際には、あらかじめ下記項目を考慮しておく必要があります。

①搬送の目的

クレーンを用いてどのような重量物をどのように運ぶかをあらかじめ考慮します。
  ex. 荷受け(荷降ろし)/荷積みか
  ライン進行・工程変更による搬送(移動)か 等
また、搬送のルート・距離にあわせてクレーンを組み合わせて選定することも必要です。

②作業者の条件

クレーンの種類や吊り上げ荷重によって、必要な教育・講習・免許が異なってきます。
0.5t未満であれば必要ありませんが、0.5t以上5.0t未満の場合は特別講習、5.0t以上のクレーンを運転する場合は運転免許が必要です。この他玉掛に関する教育・講習も関わってきますので、詳しくは後述する『クレーンの運転および玉掛作業に関する諸規則』をご確認下さい。

③建屋の条件

天井クレーンを設置する場合は、建屋にも荷重が掛かるので十分な強度が必要であり、特にクレーンを増設する際には念入りに強度確認をすることがポイントです。

③搬送する製品等の最大重量(荷重)の確認

天井クレーンは構造の違いによって搬送できる製品の最大荷重が異なるので、選定にあたっては まず最大荷重を考慮します。ただしクレーンの最大荷重が3t未満であればクレーン設置届は必要ありません※ので、最適な最大荷重のクレーンを選ぶことがポイントです(詳しくは後述のクレーン設置における法規制のポイントを参照下さい)
※0.5t以上は「クレーン設置報告書」が必要

また、前述のとおり、クレーンを操作する運転者の資格によって、運転できるクレーンの種類・荷重に制限があります。クレーン導入時には設備と共に運転者の資格も考慮する必要があります。

④建屋の幅(スパン)の確認

下記の表のとおり、天井クレーンの種類によって、設置できるスパンが異なります。また、建屋の端ギリギリまで寄せたい場合は、サスペンション式クレーンを選定する方が有利となります。

⑤建屋の高さ(揚程)の確認

揚程は建屋高さにも制約されますが、クレーン形状や選定するホイストによっても制約を受けます。構造上もっとも揚程をかせぐ事ができるクレーンはトップランニング式ダブルクレーンとなります。

⑥走行(走行ガータ)の確認

一般的にはクレーンサドルを走らせる為にレール(軌条)を取り付ける必要がありますが、ウレタン車輪を用いた無軌条クレーンサドルを用いれば、走行レールはH形鋼のみとなり、設備費が低減できます。従来の軌条レールの材料費用や取り付け工事が不要になるため、特に走行レールの長さが20mを超える場合はコストダウンに繋がります。

⑦操作方式の確認

クレーンを操作する方法は、リモコンを直吊りする方式、無線で操作する方式、その他(運転室で運転)の方式があり、これもクレーン導入時にあらかじめ検討します。無線操作式の場合はクレーン・デリック運転士免許が必要だが、直吊り方式だと限定免許でも操作が可能など、クレーン運転者の資格によっても運転できるクレーンの種類によって制限を受けますので注意してください。

また、クレーンは下記のような押しボタンにて操作をすることができますが、後に紹介するオプションに応じて選択します。

なお、駆動方式は現状はインバータ方式が主流ですが、インバータ無しの仕様も選択することもできます。

⑧安全装置及びオプションの確認

基本的な機能のほかに、設置状況に応じてオプションを検討する必要があります。

照明の有無

クレーン設置によって天井照明のみでは明るさを確保できない場合、設置検討します。

衝突防止装置

同ライン上にクレーンが複数存在する場合、衝突の危険性と建屋の強度条件から設置を検討します。

ローヘッド式

サスペンション式の場合、少しでも揚程を確保したい場合に選定が可能です。

3t以上の場合

法令上点検歩廊が必要となります、歩廊を建屋に設置する場合や高所作業車(常備)がある場合には、クレーン本体から点検歩廊は不要となります。

ページトップへ
クレーン導入コストダウン.COMはサラフジが運営する生産技術者のコストダウンを追求する技術情報サイトです